
養子縁組というのはだいたいこんなイラストのイメージだ。子どもがいない夫婦が他の夫婦の子どもを引き受けるパターンだ。しかし、こんなイメージをぶち壊す痛快な農家がいる。
AさんとBさんは「夫婦」であるが「兄妹」でもある。
息子さんAの父さんCが、Aさんの嫁さんBにお世話になっているから、父さんCは嫁さんBを養子にしたのだ。息子の嫁さんBは家のために一生懸命働いてくれるが、結局は血族でないから父さんのCの相続人にはなれない。
すごくよくある息子の嫁の孤立。息子のAが死んだら家を支えながらも他人になる。そんな矛盾が許せなかった父さんCは、家に入り浸り、ろくに働かず、権利ばかり主張するアホな他の子どもたちに相続でツベコベ言わせないために、出来の良い息子Aの努力家の嫁さんBと養子縁組した。これでBさんはCさんのれっきとした相続人になった。
息子夫婦は夫婦であり、法律上の兄妹でもある。
民法には息子の嫁を養子にできないという規定はない。実態としては何も変わらないが、法的には嫁さんBはCさんの娘になるから、おバカな他の子どもたちは相続の際、Bさんを排除できない。もちろん嫁さんの家族との関係は今まで通りである。
Aさんは笑いながら話す。「親父は賢い!革命家はいつも大事な人を守るために立ち上がる!まるでチェゲバラのようだ!」と。そしてAさんはぼくに耳打ちした。
「親父は隠れ共産党支持者なんよ・・・」
「夫婦で兄妹作戦」はオススメだ。常識をひょいと飛び越えるたおやかさ。
養子縁組は届け出るだけで、簡単にできる。
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