
相続放棄は被相続人が死亡して相続が始まったことを知ってから3ヶ月以内に、
家庭裁判所に申述して(申し述べて)行う。相続開始前にはできない。
どうなるかというと相続人でなくなるので一切のプラス財産もマイナス財産も
「そんなの関係ない!」となる。相続との絶縁で、マイナス財産がでかい時の相続拒否だ。その効果はその人の子孫にまで及ぶ。
では相続分の放棄は、いかがなものなのか?
これは、本来相続すべき法定相続分(プラス財産)のみを放棄することで、
マイナス財産は相続することになる。すっごく損な相続であるが、
兄弟妹で男兄弟は出来が悪く未婚、妹は気立てがよく優秀な人と結婚しているという
兄弟妹関係でよく起きる。
「お前はいらんだろ、裕福だから・・・いらんよな、相続財産なんて・・・」
欲をかく男兄弟に、妹はコクリと頷く。これで決まりとなる。
裁判所の裁の字も出てこない。遺産分割協議で妹の相続分は無しとなる。
プラス財産がマイナス財産を大きくしのぐ東京近郊のかつては山林だった荒野を田舎から出てきた祖父が開拓し、今やベッドタウンとなり、いつの間にか大地主になった貧しい風情の家の相続に多い。何億もの財産が動く相続だ。「金持ち喧嘩せず」とはよく言ったものだ。
相続分の放棄は子孫に影響を与えないから、パチンコばかりで働かず結婚もせずに生涯を終えることになる男兄弟がいったんは相続するものの早く死に、最終的には気立ての良い子だくさんの妹とその子どもに財産が自然と集まることになる。理に適う展開だ。
「慌てる乞食はもらいが少ない」とはよく言ったものだ。
まあ、KANさんの♪愛は勝つ、みたいなものだ。
相続放棄と相続分放棄、
「分」が有ると無しでは、なにごとも「分」をわきまえている方が賢いということだ。
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